11.7TDCホール大会~WRESTLE PRINCESS~を振り返る
今回の大会は複数路線が利用できるターミナル駅へ向かう終電車だったのだと思う。「コロナ禍」に開催されたビッグマッチ。もちろんこの大会を終えて、私個人がコロナを脱したと感じていても世界的な状況が変わるわけではないけれど。
終電で乗客は全員降りても電車は朝が来たらまた人を乗せて動く。始発から終電へ向けて旅が始まる。
あまりポエムを書きすぎても本題が始まれないのでさっさと振り返りましょう。いま2時だし。
・第1試合 〇鈴芽&汐凛セナvs●宮本もか&駿河メイ
我闘雲舞の元気印、駿河メイが満を持して東京女子初登場。京都出身で駿河ですってよ奥さん。148cmでデビューは2018年。
勝つなら鈴芽か汐凛が宮本から、駿河が鈴芽か汐凛からかと思っていたところ鈴芽が宮本からリングアベルを決めて3カウント。
試合全体的に大会場に慣れないのか、ストンピングなんかでもちょっと音が出てない印象。ただ要所要所でしっかりと適切に持ち技を使っている様子で次同じ会場で見るのが楽しみ。
第2試合からセコンドついてお疲れさまでした!!!
・第2試合 小橋マリカ&猫はるなvs桐生真弥&原宿ぽむ
このバカチンが!(幻聴)復帰欠場復帰戦の小橋が猫を供回りに帰ってきました。観客を煽って声を出させるというのは、試合の流れを持っていきやすいのではないかと常々考えている私ですが、コロナ禍においては自粛する選手が多い傾向…そんなことはないかもしれません。
試合は9分。桐生がだんだんと自分の体をどう動かせばいいのかを理解し始めたのか、要所で繰り出されるエルボードロップやスパインバスターが説得力の塊。
みんながみんな自分の勝ちを狙いに行く中、終盤に決めろとパートナーに声をかけて相手がカットに入らないように抑えるというのは強い信頼感あってこそなんでしょうか。尊いですね。
・第3試合 第5代インターナショナル・プリンセス王座決定トーナメント準決勝
乃蒼ヒカリvs舞海魅星
原宿ぽむを下した乃蒼と桐生を下した舞海の一戦。以前シングルで舞海を下している乃蒼は意地もあってか負けないと言っていたはず。
試合の内容に触れる前に、根底にあるスタイルの違いが際立ったマッチングだったのではないかということについて取り上げてみたい。
どういうことかというと、盛り上げ方の違い。これは2パターンあると私は考えていて、要は観客へのアピールの仕方。ちょっと言葉にするのが難しいのだけれど、リング内に立って、観客のことはいったん置いておき自分のプレーで魅せつけるタイプと、観客を巻き込みながら視線を自分の力で引き寄せて試合を組み立てるタイプの2つ。
この試合は前者が舞海、後者が乃蒼だったと思う。
試合内容は舞海が厳しく締め上げてギブアップを狙いに行ったのを耐えきり、ダメージを積み重ね続けた乃蒼がBSHで3カウントという展開。ようやく第2試合までのなんとなくいつもの試合じゃないな?という観客のもやもやをしっかり解消した名勝負になった。
トーナメントを勝ち抜くことを考えたとき、切り札を一枚切った形になり、さらには右肩を絞り上げられた乃蒼は続く決勝に一抹の不安があったのではないかと思うが、観客の心をつかんで離さなかったこの試合、本当に乃蒼が勝ったのだと思う。
相手の技を受けて引き出しを開けさせた上で上回り勝つ。我々観客は純粋な強さを見たくてチケットを買い会場に足を運んでいるわけではない。間違いなく第三試合の主役は乃蒼ヒカリだった。
・第4試合 中島翔子vs上福ゆき
中島翔子を攻略するなら…を実行すると行きつく答えは足を殺すこと。リングから落ちて、エプロンで隠れているリングを支える鉄柱に膝を打ち付けられた中島の機動力は間違いなく死んでいたし、ノーザンもホールドしきれずなのか投げっぱなしに。
伝家の宝刀ダイビングセントーンの誤爆が勝敗の行方を決める決定打になったとは思うが、上福の勝ちにこだわる姿は一枚皮を脱いだのだと思う。
パリピとしてリング内外で明るく楽しく振舞うだけではなく、勝ちに行くレスラーになったのだろう。
願わくば足を殺さず持てる武器を持って万全の大怪獣討伐に改めて挑んで欲しい。きっと今回以上の好勝負が繰り広げられるはずだ。
・第5試合 らくvsまなせゆうな
東女との契約を更新せずにガンプロ所属になったまなせの帰郷。序盤のコミカルな展開から一歩もリードを許さずに、らくに立ちはだかった。
試合のすべては最後、鈴木ダイナミックで決めずに0レンジラリアットで決めたシーンがすべてだと思うので見てくれ。
あとこれが休憩だと思ってたよ。
・第6試合 ハイパーミサオvs赤井沙希~WPスイッチ式ランダムルールマッチ~ラストウーマンスタンディングマッチ~
要はスイッチを押すと展開変わるよ!だ。最後のルールはダウン後10カウント以内に立ち上がれない場合敗北になるラストウーマンスタンディング。
ここはハイパミが赤井へ抱く思いなどあるので詳しくは試合を見てください。
試合中盤、スイッチを押してモニターで発表されたのは助っ人選手参戦マッチ。赤井川助っ人としてコールされ、会場に鳴り響く切るBATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY。皆さんご存じDDTの坂口征夫がご入場。もうここで場内爆発。コロナだろうが何だろうが漏れる驚きの声。
そしてハイパミの助っ人は…坂口だよ?誰連れてくんの…といった会場の困惑が広がる中…ガラスが盛大に割れるような音がしてからファイアー!そう。高木三四郎!
あ、声出すのだめでしたね…正直この瞬間が一番盛り上がってしまったのでは説ありましたね。レスラーは入場が7割は至言ですよ。
・第7試合 伊藤&Sareee vsアジャコング&山下実優
アジャコングの姿が見えた瞬間に会場が引き締まる音が聞こえた。
伊藤撃沈!山下激勝!詳しくはレッスルユニバースで。第6試合の余韻全部吹っ飛んだ。
・第8試合 乃蒼ヒカリvs上福ゆき
試合終盤、裏投げ、BSHの体制を耐えた上福のレフェリー、乃蒼のブラインドを突いたサミング。一斉に畳みかけて2連発のフェイマサー。この試合は前の試合をどれだけ優位に進めて身体、精神で相手の優位に立つかが肝だったのかもしれない。
バックステージコメントで乃蒼が「中島に勝った瞬間を見て、ちょっとビビっちゃったかなと思って」と話したのが嫌に印象的だった。
乃蒼の伊東戦は正直今でも見られない。今でも見ると勝つ!勝つ!と思ってしまうから。でも今回のタイトルマッチは激戦で、一個昇華した気がする。きっと乃蒼がタイトルを取って腰にベルトを巻く日は近いのかもしれない…
ところで汐凛さんが美軍行く気がしてきたんですけど何でしょうこの予感。
・第9試合 辰巳リカ&渡辺美詩vs天満のどか&愛野ゆき
うー!ばくれつ!
この試合で私の中の天満株が爆上がりしました。この試合の主役は天満。
・第10試合 坂崎ユカvs瑞希
坂崎のセコンドに中島がいるんですよぉ…前哨戦で対角にいたはずなのに突然連携しかけられたり、タイトルを取られた主犯のところにさ…みらクリは最近見られてないけど正タッグ、正パートナーって中島の中では坂崎なのかもしれないですね…
坂崎からはどうにもマジラビの話ばかり出ていたのでわかりません。そうだったら僕は嬉しいです。
序盤に坂崎のコスチュームがはだけてしまうアクシデントはあったものの、25分の激闘。メインの試合にふさわしかったのではないでしょうか。もうそれ以外ないよ。おなか一杯。