乃蒼ヒカリという選手について

・前置き

 1.4後楽園大会を控えた東京女子プロレス。同団体が開催する大会の中で最も規模として大きいのが後楽園だ。2019年は両国国技館での試合もあったけれど、本戦は中島翔子坂崎ユカ山下実優辰巳リカ、渡辺未詩、操(現ハイパーミサオ)が出場したのみ。定期参戦選手と欠場選手を含めば25人を誇る団体内で半数以上が出場叶わなかったのだから、11.3はやはりDDTの大会だったと言ってしまっていいだろう。

 個人的な推し選手の中ではやはり中島翔子を一番に書きたいところだけれど、先日の板橋大会で伊藤麻希が持つインターナショナルプリンセス(IP)に挑戦表明し、大きな舞台に立つ乃蒼ヒカリについて筆を取ろうと思う。

乃蒼ヒカリとは

 18年の1.4にデビューしたアップアップガールズ(プロレス)の青色担当。要はデビューから2年目の選手。

 その間に東女最強タッグの称号プリンセスタッグに2度挑戦しているのだから、その実力は認められるべきところだろう。

 身長は153cmと160cmを越える選手が多く在籍する東女の中では小さい方。ただ手足の長さと体のしなやかさはトップクラスと言っても過言ではない。

 ずっと憧れのレスラーは葛西純と言っていたりハードコアやりたいだとか、耳に舌にピアス開いていたりコスチュームが髑髏だったり、すごくいろんな属性てんこもりでファン層どこ?って感じの選手だ。

 本人が得意技にあげるコブラツイストはしなやかな腕と脚が相手選手に絡み、芸術品の様相なのでここら辺あまり注目してなかったなって人はぜひ。あとは代名詞というかタッグパートナーに触発されたのかドロップキックも魅力。使いだした頃は体力不足から物足りなさがあったけれど、今となってはもうソレなしでは乃蒼とは言えないほど。

・IPとのストーリー

 ここら辺はぜひユニバースに加入して「ヒカリ」「乃蒼ヒカリ」と検索の上、2018年4月頃からの試合を全て見て欲しいのだけれども、ざっくり記憶を掘り起こしながら書いてみるとする。

 まず最初は万喜なつみが初代王者になった瞬間からだろう。いやもっと前からプリンセスカップで万喜と対戦したときから始まっていたのかもしれないが。

 ここで万喜の持つベルトに挑戦表明をしたのはまなせゆうな。前に所属した団体で関係性があった2人だけに、乃蒼が声をあげるのは難しい部分があった。

 そもそも、乃蒼が万喜に挑戦するという図は実力に差があると見られている部分をベルトを奪取することで対等だと、肩を並べてやってるんだと叫びたいからだと考えているのだけれどそこらへんは本人が喋らない限りは神のみぞ知るというところ。

 さて試合詳細は省くとして、万喜vsまなせは、万喜の負傷もあり不完全燃焼の状態でまなせに軍配が上がった。その後伊藤が挑戦してきた。

 これが乃蒼としては面白くないストーリーだったはずだ。万喜と舌戦やらを繰り広げてきた憎き宿敵伊藤が失意の中に失ったベルトを我が物顔で持ってる。まなせがベルトを持っているのとはもう比べ物にならない悔しさだろう。

 挑戦表明の時に万喜が取った時は自分に自信がなくて…と語っていたけれど会場の空気だったり、初代女王挑戦権を賭けた4wayマッチの結果だとか色々脳裏にちらついたはずだ。相手は今の乃蒼にとって大きく見えているのではないか。先月はギブアップしてしまっているし…それでも応援している1人としては勝って欲しい。万喜との再戦までその腰に巻き続けて欲しいと思っている。

・魅力

 少し真面目だったので生来のオタク部分をだしてドン引きされていこうかと思う。願わくば本人に届かないで欲しい。

 まず東女恒例のアプガ(プ)歌のコーナー。一番最初に自己紹介するのが乃蒼なのだが、試合の時に比べて声が小さい。とても小さい。少し恥ずかしそう。可愛い。もうここでイチコロなのだ。そこそこの回数同じことやっているのにいつも慣れない恥ずかしそうな感じ。助けて欲しい。尊みで溺死する。

 歌っている時はトレードマークのロングヘアーがこれまたサラサラと揺れ動いて、もう大変。歌詞なんて頭に入ってくるはずもない。

 時々リングサイドに出てきて観客煽ったりするけれど、一番言葉を失ったのが練習生のシオリにちょっかいかけに行った鶴見青果市場大会。もうすごいやばかった。

 試合では打って変わって大声ガンガンだして向かってく。カラーとか澄ました感じの時とかまさかそんな熱血ファイトすると思わないじゃん。どっちかというと冷静に関節決めてギブアップ迫るようなファイトスタイルだと思うじゃん。これがギャップ萌えですか?

 物販ではコロコロとよく笑うし3回ギャップに殺される。参加して2〜3回目くらいで名前覚えてくれていた時は驚いた。オタクは乃蒼の物販行くといいよ。たぶん沼に落ちるから。

・最後

 つらつらと書き続けてきたけれど、こんなもんでは済まないのだ。白昼夢としてベルトを獲った渡辺の存在だっていい題材で。

 1つ確かなのは魅力溢れるレスラーだということ。

 伊藤に勝つ道はきっと自信をつけること。明らかに筋肉も付いてきているし裏投げの威力もフィニッシャーに相応しい。関節技もある。あとは兎にも角にも自信。きっとそれが備わった時にもっと強くなるのだろう。